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その他の Skyrim (スカイリム) については、Skyrim (曖昧さ回避) を参照してください。

The Elder Scrolls V: Skyrim の英語版が発売されたのは2012年11月11日だが、The Elder Scrolls V: Skyrim の日本語版『The Elder Scrolls V: スカイリム』は2012年12月8日に発売された。この日本語版には、Steam の影響で英語版発売当初から日本国内ではプレイできない問題や、翻訳内容の問題を抱えていた。日本語版はゼニマックス・アジアが製作したゲームとして日本ゲーム大賞2012の「年間作品部門」で「優秀賞」を受賞している。[1]

日本語版発売前の 英語版 Skyrim の Steam 認証問題[]

The Elder Scrolls V: Skyrim のDVD-ROMのパッケージは、日本語版の発売日である2012年12月8日を過ぎてからは、日本語版でも英語版でもどちらを購入しても、Steam側で Skyrimをプレイする言語を「日本語」に設定すれば、日本語用のファイルがダウンロードし直されるように、いつでも日本語でも英語でもプレイすることができる。よってパッケージ版を購入する時点では、わざわざ日本語版を買わなくても日本語化することができる。

日本語版の発売日よりも前に英語版のDVD-ROMパッケージを購入して、英語圏の国、例えばアメリカのインターネット回線に接続してSteamにログインして認証を済ませてプレイすることは可能だったが、いわゆるおま国という処置により日本国内のホストからはわざとプレイさせない処置が行われ、英語でもプレイしたいユーザの不満を買うことになった。とくに英語版でプレイしたい欧米人なのに、日本国内に住んでいる環境という影響で日本語版の発売日までプレイできなかった例もあった。それを回避するために欧米のプロキシ経由でSteamにログインするという方法も使われた。これは例えば Hot Spot Shield といった VPN ソフトで Steam にログインする方法である。この方法により、日本語版の発売日である2012年12月8日前に日本国内のホストからも The Elder Scrolls V: Skyrim 英語版をプレイすることが可能であった。

その他のDLCのSteam認証問題[]

このおま国The Elder Scrolls V: DawnguardThe Elder Scrolls V: Dragonborn では発動されなかったものの、公式パッチ v1.7日本語版とThe Elder Scrolls V: ドーンガード 日本語版The Elder Scrolls V: Hearthfireの配信日である2012年10月5日には The Elder Scrolls V: Hearthfire で発動され、2012年10月16日にThe Elder Scrolls V: ハースファイア 日本語版が発売されるまで 日本国内のホストから Steam経由で Hearthfire をダウンロードできない事態に陥った。これを回避するために Green Man Gaming のような他のサイトで Hearthfire 英語版のシリアルキーを購入して Steam 上で認証するといった方法を取ることもできた。

特徴[]

The Elder Scrolls V: Skyrim の日本語版『The Elder Scrolls V: スカイリム』は2012年12月8日に発売された。 日本語版は、テキストがほぼすべて翻訳されている他、一部の Dragon Shout を除く音声もすべて日本語吹き替え声優によって日本語化されている。ただし誤訳や悪訳に加えて、PC版ユーザにとってもっとも大きな醍醐味の1つである、欧米人が開発したModをそのままでは楽しむことができない原因となる独自のファイルを無理やり使わされるという問題を引き起こした (TESV.exe を参照 )。また、独自のファイルを使っているためパッチの更新が数日から数週間遅れるという問題も引き起こしている。

吹き替え声優[]

英語版の声優陣にはアカデミー賞受賞者やノミネートされた豪華な俳優が出揃っている。ところが日本語版は特にそのような大物俳優が起用されていない。英語版ではゲームに登場する子供の声は実際に子役の俳優が担当しているが、これも日本語版では一部の男児を除き男児と女児両方とも大人の女性が吹き替えを担当している。

固有名詞の発音[]

英語版ではほとんどの固有名詞の発音は英語の発音だが、公式日本語版の訳語の性質として、Skyrim の世界観に北欧神話に似ているものがあることから、各種固有名詞の訳語に古ノルド語、ドイツ語などに近い発音の訳語が使われているケースが見られる。「r」が入った固有名詞の訳語ではほぼ必ず「ル」などの「ら行」の発音があるとみなしてカタカナ化するなどである。しかしこれらの訳語のスタイルは、Hircine が「ヒルシン」ではなく「ハーシーン」と英語に近い発音で訳されているケースもあるように、とくに統一されていない (英語版では「ヒルシン」と発音するNPCもいる)。Imperial 系の種族のNPCに関しては、General Tullius の訳語が (「トゥッリウス」ではないが)「テュリウス将軍」のように古代ローマ人に近い発音の訳語が使われているケースもある。しかし一方で同じ Imperial である Cicero は「キケロ」ではなく英語発音「シセロ」と訳されている。

ファイル構成[]

詳細は Skyrim公式日本語版のファイル構成 を参照

この日本語版は、ゼニマックス・アジアが、日本語訳の都合上仕方なく独自のユーザインタフェースを作る必要があったと主張して、Skyrimの起動ファイルである TESV.exe も本家英語版とは中身が違うものとなった。すべての日本語訳と日本語吹き替え音声ファイルは、いくつかのBSAファイルの中に圧縮されており、これを BSA Unpacker などの専用の解凍ツールを使って抽出できる。

誤訳・悪訳・訳語不統一[]

この公式の日本語版の翻訳内容には誤訳や悪訳、珍訳、訳語不統一などの訳が散見した。公式に日本語版が存在しない前作のPC版 The Elder Scrolls IV: OblivionThe Elder Scrolls III: Morrowind をプレイしてきたユーザーにとっては、今までの見覚えのある用語との違いにより誤訳に気づきやすい。一方で英語版をよく知らないユーザーにとっては、これらの誤訳に気が付かないこと、例えば Hold (ホールド) も Fort (要塞、砦) もどちらも要塞と訳されているためにこれらを同一のものと勘違いし、行政区としての Whiterun Hold を要塞化されている都市としての Whiterun と誤解することもありうる。他にも BalbusBarbas の訳語がどちらもバルバスのため、これを同一のキャラクターと誤解するという例もありうる。

The Elder Scrolls シリーズ中ではゲーム内では鉄より硬いはずの Ebony の訳が鉄よりも柔らかい木でできた「黒檀」になっていることや、武器にエンチャントされた効果 Arcing の訳が「アーク放電」、ダンジョン名 Silenced Tongue が「薄く切った舌」と誤訳されているケースもある。人間でいえば man に相当する「エルフ」の mer を、Dunmer はダンマー、Bosmer はボズマーというように、「マー」になっているのに、同じエルフの Falmer が「ファルマー」ではなく、英語読みよりもドイツ語読みや古ノルド語読みに近い「ファルメル」とも訳されている。

これらの問題をいくらか解決した個人によるSkyrim誤訳修正パッチも配布されている。

クエスト進行への影響[]

誤訳によって、例えば「ドゥーマーのコグ」と訳されている Dwemer Cog を集めるクエストでは「歯車を10個集める」というメッセージがクエスト一覧に表示されているために、訳語が「ドゥーマーの歯車」である Dwemer Gear を誤って時間をかけて集めてしまうという、ゲームの進行に支障をきたすこともありうる。

NPCの訳語[]

その他、Skyrim に登場する人物は名前の後に肩書きと考えられる名称を持つ者がいるが、その肩書きを訳しているケースと固有名詞としてカタカナで訳しているケースとがある。例えば Laila Law-Giver の訳は Law-Giver を固有名詞扱いとして「ライラ・ロー・ギバー」と訳している。一方で、姓を肩書きと誤って訳しているケースもある。例として、Galmar Stone-Fist の訳「石拳のガルマル」がある。この人物には Rolff Stone-Fist (訳は「ロルフ・ストーンフィスト」) という兄弟がいるので「石拳の」という訳は不適切である。肩書きが姓名かの判断は肩書きと思われる名称の前に "The" がついているかどうかで推測できる。

海外の Mod との互換性がない[]

公式日本語版の The Elder Scrolls V: Skyrim 関連ファイルはそのまま利用しても海外のほとんどの Mod との互換性がない。Skyrim Script Extender といったThe Elder Scrolls V: Skyrimのスクリプトを拡張する Mod は、英語版のTESV.exeにしか対応していないため、日本語版の独自に改変された TESV.exe では動作しない。また日本語版パッチの更新が本家よりもかなり遅いため、英語版の最新版パッチに対応した Mod をすぐに楽しむことができないという問題もあった。

また Modによっては、たとえ問題なさそうに動作しても、Modが参照しているテキストによって、日本語化されている箇所が英語に戻ってしまうことがある。

これらの問題を回避するためには、初めから英語版でプレイするか、またはSkyrimの日本語化で解説されている特殊な方法が必要になる。さらに、必要に応じて、アイテム名などの固有名詞をすべて英語に戻す作業または有志によるそのようなパッチを適用する。

このやり方は、パッチが更新されるごとに毎回同じ事を強いられる欠点がある。 また英語版と日本語版のテキストが一対一対応ではないため、英語版で修正、追加された箇所は未翻訳のままとなり、そこだけ英語でプレイするか、自分で翻訳するか有志による修正パッチを適用するなどの必要性が出てくる。

受賞[]

The Elder Scrolls V: スカイリム』日本語版は殆どアメリカのBethesda Softworksが製作したゲームにもかかわらずゼニマックス・アジアが製作したゲームとして日本ゲーム大賞2012の「年間作品部門」で「優秀賞」を受賞している[1]

優秀賞に選考された理由として「壮大なスケールで描かれる物語、広大なマップと美しいグラフィック、プレイヤーの数だけ物語が生まれる究極の自由度を誇るRPGとして、熱狂的な支持を集めた点が評価されての受賞となりました。」と挙げられている。

またゼニマックス・アジアのコメントと見られる次のような「ゲーム製作者のコメント」が掲載されている「この度は栄誉ある日本ゲーム大賞の優秀賞を頂き光栄です。壮大な世界観を日本のユーザーに楽しんで頂くため、膨大な量の文字と音声を翻訳致しました。その苦労が報われ、多くのユーザーに楽しんで頂けたことをとても嬉しく思っています。」

関連項目[]

脚注と参考文献[]

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